2009年10月4日日曜日
梶芽衣子は綺麗だ。
これは日本の女囚映画「女囚さそり701号 けもの部屋」の予告編です。女囚さそりシリーズは全部で4本あり、最初の女囚さそりは1972年に公開されています。その前の1971年にはジャック・ヒル監督、ロジャー・コーマン制作で「残酷女刑務所」であり、これがすべての女囚映画のプロトタイプになったわけですから当時の日本の映画はわりと進んでいたということです。ちなみにロジャー・コーマンは「コックファイター」、「デスレース2000年」などの制作もしており、「B級映画の帝王」と呼ばれています。コッポラやジャック・ニコルソンなどの大物監督や俳優も若いころにはロジャー・コーマン制作の映画で活躍しておりました。
最近も「デスレース」のリメイクやアレックス・コックスの「サーチャーズ2.0」でプロデューサーをしていました。
「女囚さそり」は面白く、それは伊藤俊也監督の斬新な演出もあるのですがやはり主演の梶芽衣子の美しさが一番の理由ではないかと思われます。
梶芽衣子の大きく開いた目が、長い髪が、伊藤俊也の感覚によって一つの映画に収束していく様は非常に快感です。女囚さそりのテーマソングである梶芽衣子の歌う「恨み節」はタランティーノ監督の「キル・ビル1」にも使われておりました。作曲は「ドラえもんのうた」の菊地俊輔です。
「女囚さそり けもの部屋」は1973年に公開されたのですが、同年梶芽衣子の出演する一本の映画が公開されました。
「仁義なき戦い 広島死闘篇」です。菅原文太、金子信雄、北大路欣也、成田三樹夫、山城新伍、川谷拓三、梶芽衣子、千葉真一、室田日出男。このように出演陣だけ羅列しただけでも震えが来るではありませんか。非常に傑作です。
ここで梶芽衣子は岡村組組長村岡常夫の姪、上原靖子として、村岡組若衆山中正治役の北大路欣也とラブ・ロマンスを繰り広げるわけですが、ここでも彼女の目は何か猛烈に訴えかけてくるわけです。じっとりとした汗のにおいです。「スローなブギにしてくれ」において浅野温子があんなにも魅力的なのは彼女が持つ清涼感ですが、まったく正反対に梶芽衣子の魅力はその汗にあるでしょう。
広島死闘篇でやはり目が行くのは博徒大友組組長大友勝利役の千葉真一や北大路欣也でしょう。彼らの名演は見る者の人生にこの映画を深く食い込ませます。しかし、梶芽衣子の存在もまたこの映画にとって非常に重要だと思います。若いヤクザたちは男であろうとして鬱屈した青春を暴力にぶつけ散って行きます。そこに選択肢はありません。しかし、梶芽衣子は悩みます。女として生きるのか、親として生きるのか。この非常に選択しがたい選択があるからこそこの映画がほかの仁義シリーズとは一線を画した傑作になったと思います。
常に汗をかいている情念の女、梶芽衣子です。
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