2010年4月30日金曜日

エドモンド本田の夜

友達と遊んで、電車で帰る。友達の家は京王線沿線に大体点在しているから、新宿からぽつぽつと友達は電車を降りていくのです。そして僕一人になってしまう。と、おもむろにポケットの中の携帯音楽プレーヤーを取り出してBPM140くらいの音楽を聞きながら眠そうにしている隣の他人を気にしている。
電車を降りてコツコツと歩いていくその遅さにイライラして早く家に帰ってしまいたい。そして俺は家で漫画を読んだり映画を見たりしたいんです。
すると不意にすぐ前を歩いている女の人が目に入る。
少し急いで歩いている。きっと家に帰る途中なんだ。彼女もまた音楽と歩みに没頭している。
風に髪が揺れている。あ、とワタクシはそこで思う。
あの、まさに神的な、龍涎香と同義であるような匂いが、神秘的な大気中のエーテルを介して鼻をくすぐっている!
その瞬間ワタクシは感傷的なみそっかすへと化学変化する。全精神はあらぬ空想へ全力疾走している。全く別の生き物に変化している!

こんな雰囲気の映画を我々は制作しております。
映画サークルKINO

2010年4月1日木曜日

僕郊外って言葉が好きなんですよね。
郊外って語感がいいじゃないですか。
KOUGAIってローマ字で書いてもいい。
英語にするとSUBURBですよ、おみやげみたいですよ。
映画でも郊外が舞台の映画は好きです。
相米慎二の「ションベンライダー」、「夏の庭」
近藤喜文の「カントリー・ロード」


あの住宅街には何かが隠されてきたし、今でも一様に並ぶ同じ形の家の間には隠された何かがある。
例えば野猿街道を日野市の方にずっと歩いていくと、八王子市から日野市に至る途中に野猿峠という峠があるんですが、その峠の上には住宅街がある。その住宅街は階段を登って行くのですが、その上下に分かれている状況は何か住宅街を隠しているようでその階段を登る僕のキモチはさながら冒険者のようだ。そして実際その先には長沼公園という森が用意されている。
「何の変哲もない」という形容は言葉の上では何の変哲もないが、それを受ける場所は実際何かがある。例えば一様に同じ形の家が並んで立っていたとしてもある場所は他の場所と同じではない。
川や道、住んでいる人々、環境によって様々な顔を持つ。

続き

ブルーハーブとshing02の登場により、日本語ラップはその奥行を増したわけです。早口で言葉を連射していれば日本語ラップになっていた時代は終わり、よりリリックやスタイル、フロウ、ライムが重視されるようになった。また、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの断絶もさらに深く成っていった。オーバーグラウンドではヒップホップはほとんどミクスチャーロックと同列に扱われ、例えばDragon Ashは1991年にZEEBRAとの共作で「Grateful Days」を発表する。そこで歌われるラップは、ヒップホップ文化から乖離したポップミュージックだ。例えばジブラのパートで彼は

俺は東京生まれHIP HOP育ち 悪そうな奴は大体友達
悪そうな奴と大体同じ 裏の道歩き見てきたこの街
渋谷 六本木 そう思春期も早々に これにぞっこんに
カバンなら置き放っしてきた高校に
マジ親に迷惑かけた本当に
だが時は経ち今じゃ雑誌のカヴァー

と歌っているが、ここで歌われているのは過去であり、リスナーもしくは歌い手の現実ではない。回想だ。
これに対してブルーハーブのstill stilling dreamingの感動的な8曲目「孤憤」でイル・ボスティーノは、

前にも言ったように俺達はこの場で,音と言葉で,そこにいるお前と話をしたいんだ
お前等じゃない,お前の仲間でも,お前の街でも札幌も東京もくそもない
お前一人で来いと言ったろ
お前だけの言葉で,音楽の話や,仲間の話,夢の話,俺達に話しかけてくれ
他人を期待して,不平不満ばっかり言うような奴等は俺達に触るな
腑抜けたラップを聴く暇があったら, 俺は真っ先にSIONを聴く

と歌っている。また、孤憤に続く、「coast 2 coast」では、


TOKYO,OSAKA,Big City Dream だが
そこまでだ 今、本命がエントリー 北から頂く
北から頂くSAPPORO,SAPPORO極東NO.1 BORO い
つも感謝してる同志達のサポート

目的はかわらないヴィナロード、雨にもまけず目にもの言わす
針先、ペン、P先の導き、何よりも先、信じる気になってはじめて千歳で降りろ
そして乗りおくれることなく、そこからさらに北にむかえ
一週間程じゃ一割もわからない、北だけが持つ奥行きの理由は
地下一階はほぼ全て間違いない、しらふでも言えるぜ、時代は
近いと本拠地、平岸シエラマエストラからノストラダムス並に裏の裏をよむ
ノースコースト・ラ・コーザノストラすぐに認めることになる
オレをBOSSとな


と歌っている。
アンダーグラウンドはアンダーグラウンドとしての意識をさらに強化した。
東京をオーバーグラウンドと見立てた上での北海道札幌市平岸はこのアルバムの中で物語の中心となる。
grateful daysにおける「かっこよさ」が現在成功しているzeebra自身ならば、tha blue herbのリリックの「かっこよさ」は共有によって立ち現れるものだ。bossは、想定したリスナーのためにリリックを書き、歌う。アンダーグラウンドでしかできない表現を意識的に取り入れたリリックをTBHは歌っている。おわり