ボードレールというフランスの詩人がいて彼は「悪の華」という詩集を書いているのだが、僕は高校生の時によく読んでいたので思い出深い詩集だ。大学生になって調布に住み始めてからも、ちょくちょくその詩集を読んでいた、調布駅近くの「シャノアール」という名の喫茶店で「旅へのいざない」などを堀口大學の訳で読んでいた。東京は調布の「黒猫」という名の喫茶店で、「黒猫」を書いたエドガー・アラン・ポーの影響を受けたボードレールの詩を読むというのは、なかなかちぐはぐな体験で読後のもやもやを果たして僕は「シャノアール」のそのまた隣のゲームセンターによって開放していたものだった。
そしてまた、季節はめぐり僕はある音楽を耳にすることによってまたそのような体験を想起することになるのだが、果たしてそれはRuh Whiteの「Flowers of evil」という名の音楽だったのです。
Ruth White - Flowers of evil抑揚の全く無いボードレールの詩の英訳の朗読と、電子音が延々と続く不穏な楽曲群。名盤。といっても、ボードレールの詩は後景へと堕し、Ruth Whiteの音楽が全面に出ている。
とくに、「Lover's Wine」は素晴らしい。NWWばりのピュルピュル音によってはじまり、不自然に増幅された所為で音の割れた朗読が始まるとその音は小さくなる。そして振動しながらずーっとピュルピュル鳴っている。
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