多部未華子のCMがすごく心に響いて何かもやもやとする。
CMが結構好きで、といっても映像だったら何でも好きですが、よくYOUTUBEで見る。
大半がつまらないCMだけど、そのうちいくつかは本当に素晴らしい。
CMの長さは日本では15秒と30秒と、長いCMで、1分だ。1分のCMは1990年前半から出てきたから比較的新しい。(確か広告批評にそう書いてあった)
その時間で、クリエイターは企業の広告をしながら、また際立つための何かを加える。
それは、物語だったり、美しい風景だったり、または目新しい映像のトリックだったりするのだけれど、共通するクリエイターの腕の見せ所は、時間の短さゆえの省略の方法だろう。
杉山登志という1960年代に活躍したCMディレクターがいて、資生堂のCMやなんかを監督していたのだけれど、その映像を見ていてやっぱり思うのは省略の仕方は今にずいぶんと受け継がれているなぁということだ。「資生堂 海岸情報」のCMで、映像は全体を映さずに部分をつないで全体を想起させる。
それはたぶんCMのつなぎの基本で、たとえば、物語もそうやって語られる。
多部未華子の恋愛物語はモンタージュ技法によって語られる。映像そのものはすごく不安定で、散漫な印象だけれど、音楽によって統一されている。われわれが連想する形で物語は補完される。
もはや物語ではなく思い出だ。すごくセンチメンタルなことはすべからく断片の集合だ。
断片と断片の間の接着剤は我々のほうで持っているのだから。
音と映像は、共謀して我々の郷愁を引き出そうとする。
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